オナペットとしての村上春樹の可能性


 
「ゴールドマンプレゼンツ濡れる話・勃つ話」にご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございます。
安田理央さん司会で、鬼才AV監督ゴールドマンさん、バクシーシ山下さん、ストリッパーの若林美保さん、オナニーマエストロの遠藤遊佐さんが濡れる話や勃つ話をするというイベントでして、私は個人的に超濡れる「オナペットとしての村上春樹の可能性」というテーマでお話することにしました。


村上春樹の作品と本人の立ち位置のケミストリーでうまれる無限の性的魅力。
村上春樹をオカズにするためにまずオカズにしていただきたい、文系女子垂涎男子の「僕」のセックスライフ。
エッセイで知る春樹本人のセックス観。
オナペットの対象を「僕」から本人に移す過程で誰しもの最大の障壁となる、「僕」の外見イメージと本人の外見のギャップ。
それを乗り越えるまでの私の長く辛い道程。
などなどをお話しようと思っていたのですが、ネイキッドロフトに集まった客層を見て、ちょっとした違和感を抱きました。女性客がひとりもいないのです。
まあ深夜のイベントですしね、そんなこともあるかもしれません。でもそれでも男性客におしゃれ眼鏡をかけている人がいない。ボーダーのTシャツを着ている人も、空き時間に町田康とか坂口安吾の文庫本をひらいている人もいない。
このなつかしいような、それでいてアウェーな空気感はなんだと呆然としているところを、ノン眼鏡、ノンボーダー、ノン坂口安吾の男性に「峰さんですか!? サインお願いします! 僕、デビュー作からのファンなんです! ところでもうAVには復帰しないんですか?」と声をかけられて、いまだに私を性的対象として見てくれる奇特な方々がいらしていることにやっと気がつきました。想定していた客層と違う!!


前に安田さん主催のイベントに出たときは謎まんこ評をやったんですよね。ご存知の通りまんこは全人類みんなが興味を持っておりますし、わりにどんな客層でもイケるテーマだと思って用意してきたのですが、いちばん客席がわいたのは浅野いにおをこきおろしたときでした。
浅野いにおとその作風を知っていて、さらに腹立つ感じが共有できるタイプの方がいらしてくれてたんです。がんばって浅野いにお画のまんこを探した甲斐があったなあと嬉しくなったんです。
そこで今回は村上春樹の性的魅力を共有しようと考えたというのに、これはマズった。


いちおう今まで村上春樹を読んだことのない方に挙手をお願いしてみたところ、客席の半数の方が手をあげました。
手をあげなかった人の中に、本当は読んだことないくせに読んだフリをしている人とか、読んだことないけど四十肩でどうにも手を挙げられなかった人も含まれてることとは思いますので、そう考えるとたぶん村上春樹を読んだことがあるという人は2、3人くらいしかいなかったのではないでしょうか。
 私が用意してきたのは、村上春樹の作品と立ち位置をみなさんご存知だという前提のネタですので、知らんおっさんの書いた知らん小説とか、ましてや知らんおっさんの性的魅力なんて語られたところで、そんなもん知らんと思われることでしょう。


私は露出度の低い、男受け悪そうな、マルタンマルジェラ的な格好をしてきたことをとっぷり後悔しました。
なぜボディコンを着てこなかったんだ! なぜ村上春樹をテーマに選んでしまったんだ! なぜ「私の性感帯♡」だとか、「おちんちんが小さくても大丈夫♡」みたいなテーマを選ばなかったんだ!!


 とりあえず村上春樹の話から始めましたが、会場の空気がアレなので途中から自然とオナニーの話にうつり、最終的には公開でノーハンドオナニー(肛門括約筋を意識的に収縮させる刺激だけで性的快感を得るオナニー。傍目から見ればまさかオナニーしてるとは気付かれないので、電車の中とか、いまいちなセックスをしたあとに男が寝てる隣とかでやったりしてる)をやって終わりました。その間もスライドで村上春樹の画像を流しつづけていて、それはそれで興奮したので満足です。


当日の様子はトゥギャッターにまとめられてますよう。
http://togetter.com/li/47294