マ○コとマ○コが恋をした理由(わけ)

AVに出ているあいだに、気付いたことがいろいろとあります。


・ 人前で裸になるとか、オナニーするとかは、慣れてしまえば特にどうということでもない。
・ ただ、セックスをすることだけはどうやっても慣れない。
・ 慣れちゃいけないような気もする
・ というかそもそも私はセックスがあまり好きではないのかもしれない。
・ というか私は男の人があまり好きではないのかもしれない。
・ でも女の子は好きだ。
・ 私は恋愛とセックスを激しく激しく混同するタイプである。



私は私のAVを見てくれる人に、とてもとてもものすごく感謝していて(いろいろ理由があるのだけど話すと長くなるので割愛)、だから特にわざわざお金を出して買ったり借りたりして見てくれる人にとって、少しでも抜きやすい映像を作ることには少し暴力的くらいに懸命になっていました。
例えば私が男優相手にイッたとして、でもそれをそのままカメラに収めるよりは、全力で演技をした方が絶対に抜きやすい映像を作れる自負がありました。
自分がちんこをしごいていたら、女優さんがこのタイミングでこう盛り上がってくれるとちんこも盛り上がっちゃうよね! というようなことを想像しながらセックス/演技をしていました。
例え私が男優から受ける行為に集中してみたところで、それでイッたり気持ちよくなったりする可能性なんてほぼなくて、演技をしないようにすれば100%のマグロ映像になってしまうことは目に見えたことでした。
最高の演技を見せるためには、男優が私の身体をぺろぺろ触ってるのなんて最初から無視して演技をすることだけに集中した方がいい。


別に「へへへ、私の演技で童貞たちをだまくらかしてやるぜ」とか思っていたわけではないのですが、ほとんどの男性は「演技」という単語を耳にするだけで魔女の名前を聞いたようにおののきますし、なかなか真意を理解してもらえないのは腹立たしくもあり申し訳なくもありました。


ファンの人たちに感謝しているのと同じくらいにまた、AV業界の人たちにも感謝しています。
デビュー当時、正直なところを言えば若干頭のおかしくなっていた私を拾ってくれてご飯を食べさせてくれて、それはAV業界でしかできなかったことなのではないかと思っています。
そして、私がとても感謝しているAV業界の人たちはたいてい「女優さんが真に感じている映像が一番エロいんだ」というロマンを盲信しています。
ときにはそのロマンを一方的に押しつけられて「この作品では峰さんが本当にイクまでカメラをまわすぞ!」的なことをされて閉口したりもしたし、ロマンはただのロマンであって、実際のところはそうではないんじゃないかという気はびんびんしていましたが、私がそのロマンをいっしょに追い求めることをはなから拒否して抜きやすい映像を作ることだけに尽力しているのには少しの罪悪感もありました。
何本も出たんだし、一作くらいはそのAV業界の人たちのロマンを追ってみても良かったんじゃないのだろうか。とも思いました。


引退して、しばらくしてから気付いたこともあります。
例えば私の中では、ある職業を名乗るとき、それを生業にできているか、それで飯が食えているのか、というところを基準に判断しています。
けど、AV女優はたとえそれが本業じゃなくても、一本出演しただけだとしてもAV女優だと言われますし、AVを引退したあとでもいつまでもAV女優と言われるし、冷静に考えてみればそれはそうだよな、とも思いました。
一度AVに出たら一生AV女優だと言われるなんてことは、出演する前から分かっていた事だし、だとしたら見合った金額だったのかは置いといて、私はそれを含めての出演料をもらっていたわけだし、それについて私は文句を言えないな、とも思いました。


引退した直後はテンション高くなっていたので「さー、これでAV女優じゃなくなったぞー。変なパーマかけたり、ぶっちゃけたりしちゃうぞー!」と思って、「別にAVの撮影でイクわけないじゃん。どんだけ脳みそ浮かれてるんですか?」的な正直な話を言ったり書いたりしてたけど、アイドルが彼氏いると言っちゃいけないように、現実がどうあれAV女優は演技ですとか言っちゃいけないよなあと思いました。
そして引退した今でも私はAV女優なのだし、引退したあとでもやっぱ演技でしたとか言っちゃうのは、ちんこに対して誠実な態度ではないよなあ。言っちゃったもんはしょうがないけど、AV女優としての私を好きでいてくれた人に申し訳ないなあと思ったのです。
一度くらいは、ちゃんとイッてるところを皆さんにご覧いただく必要があるのではないだろうか。AV女優として。選んでくれたファンの人たちと、お世話になったAV業界の人たちのために。


ただ、それを男優相手に試みたところで、どうやったってイクのは無理だ。180分マグロ映像になってしまう。それは誠実/不誠実の前に商品にならない。じゃあどうしよう。


と、思っていたときに西野翔さんとのレズ作品の話がきたのでした。
撮りました。
みてください。


http://www.dmm.co.jp/mono/dvd/-/detail/=/cid=mird087/