irohaを初めて見たときは正直がっかりしました。
なんか……こんだけ期待させておきながらただのローター?
もっとさあ、最終兵器的な、意思を持つ半生物的な、男なら一目見るだけでインポになるようなもんじゃなかったの?
しかも普通のローターって今198円とかで売ってるのに、irohaは6800円とか桁が違くね? ジンバブエですか?



↑198円のローター


しかし私は実際使ってみるまではあきらめたりなんてしません。
なにせ「TENGAが女性用の商品企画してるらしいぜ」という不確定情報を風の噂で小耳に挟んだ3〜4年前から、ずっとずっと期待してたんだもん! あきらめないもん!!
そこで信じる力だけで発売前にirohaを全種類入手しました。試しました。がっかりしました。
すげえ普通のローターです。
別に198円のやつとなんら変わらずブーンと震えるだけです。
振動は弱、中、強、ランダムの切り替えがありますが、198円のローターだって強弱くらい切り替えられます。
TENGA的にはぷにぷにしてることを押していましたが、表面がぷにぷにしてるだけで、そのすぐ下は198円のローターと変わらないかっちかちのプラスチック的なものが内蔵されてますし、別に表面がぷにぷにしてるからって振動が変わるわけでも男がインポになるわけでもありませんし、ぷにぷに感など実際の使用感になんの意味ももたらしません。
音は198円に比べてさすがに静かですが、6600円も値段を上乗せすれば、まあちょっとくらいは静かにもなるでしょうよ。


結局irohaって、基本的な機能は198円のローターとなんら変わりはない、というのが結論です。
しかしここで、基本的な機能以外の部分を見ていきましょう。


私がなにより重要視しているのは、充電式であること。
198円のローターって乾電池なわけじゃないですか。
電池入れたては振動強いんですけど、次に使ったときは若干落ちて来る。
普通ならだんだん盛り上げたいところを、徐々に失速していく虚しさよ!
そしてそろそろイキそうってときについに電池が切れたときなんかは、いくら善良な市民でもさすがに知人を殺してまわりたくなるようなやるせなさに襲われます。
さらに、週に何度か使うペースだとがんがん乾電池がなくなっていきます。
私はもう普通に目覚まし時計に入れるための単三電池を買うときですら「ローターに使うって思われないかな……」と真剣に心配になるくらい乾電池を買いました。
女子オナグッズとして、まずローターよりも電マの方が市民権を得たのって、コンセントを刺して使えるからなのではないでしょうか。
しかしirohaはもっと未来的な充電式です。
使うたびに充電しておけば一回の使用で振動の強さが落ちませんし、そしてこの死ぬ程充電しやすいシステムですよ。
台座に乗せるだけで充電!!
コード的なものを刺す必要もない、乗せるだけ!
ドラえもんってこれのことだったのか!!
もう従来のローターのように乾電池購入地獄に陥らなくて済むし、電マのように使うたびわざわざコンセントに刺して、ベッドに届かなかったら延長コードまでひっぱり出してきて、使い終わったらまたコンセント抜いてコンセントをくるくるまとめてしまって、なんてしなくていいのです。
しかもUSBでも充電できるってのは、パソコンでオカズを物色する派の女子にとってはたいへん便利ですね。


次のポイントとしては、丸洗いができること。
198円のローターって、紐が繋がってるところから水がはいっちゃいけないんですね。バイブも、挿入するシリコン部分は洗えるけど、下の方の持ち手の部分は濡らしちゃいけないので、ただでさえせつない使用済みアダルトグッズ洗浄タイムにムダな集中力を要求されるうえに、ちゃんと洗えてるか不安だしで、ついローターを使うのが億劫になりがちだったりもします。
ローターの紐と穴の隙間につまった乾いた愛液をつまようじで削ってとるのが好きだというAV男優さんもいましたが、キモくてびっくりしましたし、一度使ったローターを二度と使いたくないと思いました。
そのてんirohaは丸洗い可能!!
この充電部分も水で濡らしていいのかなと不安になりましたが、思い切ってじゃぶじゃぶ洗ってもまったく問題ありませんでした。
これだったら事後に手を洗うついでにスルッとスマートに洗えます。


そして最後に。
irohaには一年間のメーカー保障がついています。
つまり、ちょっとやそっとのことでは壊れないようにできているのです。
というのも、198円のローターは死ぬ程壊れます。
ローターヘビーユーザーの方は、ローターは消耗品と割り切ってダース買いしたりもするくらい壊れやすいです。
壊れると言っても、突然動かなくなる程度ならかわいいもんですが、急に発熱して煙が出たり、プラスチックが溶けたりとかっていう、マジな身の危険がわりにあるのです。


従来のアダルトグッズは、男が買って、男が使って、使い終わったらホテルに置いて帰る、みたいなものを想定されてるので、充電できないし、洗いづらいし、ムダにイボ的なものがついてるし、壊れやすい。
壊れて女の子が怪我しても、もともとジョークグッズとして売ってるので、会社が責任負うこともない。
女子が一人で、日々の生活の中で、定期的に何度も使うということをまったく考えられていないのです。


それじゃあ女性のために作られた使いやすいアダルトグッズはirohaが初めてなのか、というとそういうわけじゃないのです。
女性向けおしゃれアダルトグッズ屋さんとかで売られてる海外製ローターは、わりと種類が出ているんですね。

例えばこれ。
ベルギー製のライアン マトリョーシュカ
12600円


はたまたこれとか。
アメリカ製のJimmy jane FORM3
18900円


そうなんです。高いんです。
安全な素材でできていて、充電式、防水、静音、という最低限の使いやすい機能をもったローターって、のきなみ1万円台が相場です。
198円の死にかけのセミみたいなローターを除いた真っ当なローター界では、やはり真っ当な値段がつけられています。
それらと比べるとirohaの6800円って値段は、実はものすごく安いものなのですね。


ちなみに全種類試したと冒頭に書きましたので、全種類のレビューもしましょうか。

まずは一番ベーシックなタイプのHANAMIDORI。
「全体を当てがったり、先端部で振動を楽しんだりできるタイプ」と公式サイトにはありますが、まあ全体を当てても意味ないですよね。
先端部が中心に振動する設計ですし、ゆるい振動を膣前庭にあてがったところで意味がわかりませんので、先端部でのクリトリス刺激一択です。



次に「振動を楽しむのに加えて、先端部を挿入して使えるタイプ」のYUKIDARUMA。
Gスポットにすら届く気配のまるでない、巨峰大の先端部を膣の入り口らへんでブンブン言わせたところで意味がわかりませんので、先端部でのクリトリス刺激一択です



最後に、一番トリッキーな形のHINAZAKURA。
「2つに割れた先端部で、つまんだりする使い方でできるタイプ」らしいのですが、この切れ込みにクリトリスをあてがったところでガバガバです。
陰毛とか大陰唇とかでごちゃごちゃしててやりづらいのですが、がんばって先端部を左右から押して圧迫してみても、クリトリスが逃げてしまいますし、シリーズ中、最も意味の分からないギミックでした。
ただこれも、切れ込みを無視して他のirohaと同様普通にクリトリスに当てる、という方法で問題なく使えます。
ので、別にどの形でも使用法は先端部でのクリトリス刺激一択になりますし、好きな色とかで選んじゃっていいんじゃないですかね。


それから以下は、TENGAの方にぜひ読んでほしいクレームです。
充電器がそのままケースになっているのはたいへんありがたい。
ふたをかぶせておけば埃もつかないし、これまでわけのわからんポーチ的なものにローターをしまっていた身としては、ここに収納するんですよ! というケースがついてるのはとてもうれしい。


ただ私が声を大にして言いたいのは、なぜケースが透明なのかということ。
YUKIDARUMAの挿入部より、HINAZAKURAの切れ込みよりも意味がわかりません。
iroha公式からは「インテリアとして飾れます」とのことですが、ますます意味がわかりません。
どこのどいつがまんこに直接触れてるものを日常目にしたいと思うでしょうか。



一人暮らしだったら、普段は枕元とか、パソコンの近くとかに置いておきたいところですが、ここまで剥き出しにされると、一人暮らしでもこそこそ引き出しの中に隠したくなります。
引き出しの中に入れるということは、わざわざケースから充電コードを抜かなくてはいけないということ。
せっかく置くだけで充電ができるのに、ケースが透明なばっかりにこのザマです。
家人がいるので基本的に引き出しの中とかにしまいますよ、という人でも、引き出しの中とはいえ内部丸見えの透明ケースのままでは入れられないでしょうし、せっかくケースがついているのにどうしてもわけのわからんポーチ的なものにいれざるをえません。


本当に、本当になんでケースを透明にしちゃったんですか?
上の蓋を不透明なものにしてくれるだけで机の上に置いておけたのに。
そしたら「インテリアとしても……」というアナウンスを、みんなだってよってたかってバカにしたりしなかったのに……。
一刻も早く、不透明な蓋の別売を望みます。
パッと見たとき「うわっ、irohaだ!」と気付かれないくらいバリエーションがあるともっといいです。
あと蓋が若干あけづらいです。なんとかしてください。